課題2 DC電場、およびRF電磁場中におけるエンベロープ方程式

課題1で計算した円柱状電子ビームに対し、理想的なDC電場またはRF電磁場を適用し、トラッキングを行い ます。

1. 初期条件

・電荷量
1nC/bunch
・パルス幅
3mm  uniform
・ビームサイズ
φ1mm table top
・電子の初期エネルギー 0 eV
・DC電場
longitudinal方向を z(m) と定義したとき、 0 <= z <= 0.028 の間にz成分のみを持つuniformなDC電場を与える。電子ビームの初期位置は、バンチ最後部がz=0となるように与える。すなわち、始めから全電子 が電場の影響を受ける状態とする。
・DC電場強度
50.0 MV/m   100.0 MV/m  200.0 MV/m の3通り
・RF電磁場
0 <= z <= 0.028 の間に、longitudinal方向成分のみをもち、transverse方向には一様であり、時間的にはcosで振動する電場を与える。電場に伴い、 sinで振動する磁場が発生するが、この磁場はθ方向成分のみをもち、rに比例するとする。電子ビームの初期位置はDC電場の場合と同一とする。電磁場の 詳細は2.項に記す。
・RF電磁場強度
E = 100.0 MV/m,   150.0 MV/m,  200.0 MV/m の3通り
・トラッキング距離
100mm
・計算するのは上記6通り

・粒子数
課題1で粒子数不足の状況にあることが明らかとなっていますが、出来る 範囲の粒子数でお願いします。
・初期粒子分布
課題1で行ったとおり、粒子分布については正確にレポートしてくださ い。
・計算上の注意
カソード鏡像は計算しない。与える電磁場はcavityではないので、 ウェイクフィールドは計算しない。


2. RF電磁場の与え方
   
    理想的なピルボックスタイプ1セル分のRF電磁場として、0 <= z <= 0.028の範囲に
   
        を与える。EZは rに依らない。周波数は2856MHzとする。

    ただし、は初期RF位相であり、上記の全ての計算で、とする。(2008.12.21、55°に変更、85°の条件ではΔEが大きくなるため。) また、t=0よりスタートする。
3次元でxyz座標により計算される方は、上記から座標変換してください。


3. ベンチマーク要領 

  上記をトラッキングし
の各時間発展を、2007年6月中旬を目処に  mizuno@spring8.or.jp まで報告してください。
なお、初期条件等をコードで実現できない場合はご連絡ください。

4. 計算パラメータの定義について

   
課題1で使用したのと同一の定義を用いてください。

5. エンベロープ方程式 (transverse方向のみ)
      
        DC電場中では、
               
        RF電磁場中では、
               

 エンベロープ方程式はtの関数で表現しています。zの関数で表現しない理 由は、エネルギーが変化してもタイムステップを同じにしたいからです。すなわち、 数値的にこの微分方程式を解く場合、zの関数として扱ってzステップを一定としてしまうと、エネルギー0付近のタイムステップが非常に大きくなり、精度が 悪くなるからです。tに対するエンベロープを数値的に得た後に、
        
の関係より、zに対するエンベロープの データに変換することができます。この積分は、RF電磁場中では数値的に行うしかありませんが、DC電場中では積分可能であり、以下のようになります。

               
6.  エンベロー プ方程式 での計算結果(グラフ)

 課題1と同じように、グラフではビームの全幅を示しています。

7.    各コードの結果(提出順)

・ 水野 コード
初期粒子数   :   40000個、ラン ダム
DC電場中での計算結果
RF電磁場中での計算結果 (85度)
RF電磁場中での計算結果(55度) (UPDATE 2008.12.21)
各パラメータと定義

・ PARMELA (菅氏の計算) (UPDATE 2008.12.21)
計算 結果(DC)

・ 山本 尚人氏コード
                計算結果(DC)
計算結果(DC)(UPDATE 2008.12.21)
RF電磁場中での計算結果(55度)  (UPDATE 2008.12.21)

・ 増田氏コード(KUBLAI) (UPDATE 2008.12.12)
初期粒子数 : 8704個、規則正しく並べている
計算結果 (DC)
各 パラメータと定義


8.   各コードの比較
 (UPDATE 2008.12.21)
DC 電場中での比較
RF 電磁場中(55度)での比較