課題3 阪大産研のBNL型RF電子銃システム

阪大産研のRF電子銃をモデルに、シミュレーションを行います。

1. 概要
 BNLタイプの1.6セルS−バンドcavity、ソレノイド、および、2mS-バ ンド加速管で構成されたシステムです。概要はこちら
 シミュレーションは、基本的に論文JJAP-44-8702に基づいて行いますが、 重要なパラメータ等はシミュレーションの過程で決定していきます。なお、シミュレーションは、RF cavityより順を追って行います。


2. 各構成要素について
POISSONのファイルがこちらにあります。POISSONを使用できない方、また は、POISSONの出力形式に対応できない方は別途ご連絡ください。外形データ、または電磁場データをお送りします。

POISSONのファイルがこちらにあります。このファイルで対応できない方はご連絡 下さい。ソレノイドのlongitudinal方向中心は、カソードより0.21378mとします。

加速管入り口は、カソードより1.3mとします。加速管内電磁場の計算方法について は、別途議論することとします。

課題3−1 RF cavity出口でのビーム特性

 RFcavity出口における電子ビームのRF初期位相依存性を計算する。その後、 RF位相を固定して、RFcavity出口での、各ビームパラメーターの時間発展を計算する。なお、この計算では、ソレノイド磁場は考慮しない。

a. 初期条件
・電荷量
1nC./bunch
・レーザーパルス幅
5ps FWHM gaussian
・レーザースポット径
φ2mm table top
・RF周波数
2856 MHz
・カソード表面最大電界強度
115 MV/m
・トラッキング距離
150mm
・注意事項
カソード鏡像、ウェイク場等、計算できるものは取り入れて計算してくだ さい。

b. RF初期位相依存性

RF初期位相は、次の式で定義する。

z=150mmの位置における、[RF初期位相 vs. 電子の中心エネルギー]、[RF初期位相 vs. ΔE]、[RF初期位相 vs. エミッタンス]のグラフを報告してください。

(注意)
 RF初期位相により、ビーム特性は大きく変化しますので、位相の決定は重要です。一 方、RF初期位相を上記式で定義したとしても、実効的な位相は各コード間で微妙にズレが生じるであろうと予想されます。例えば、レーザーパルスの longitudinal方向中心の位置がカソード面に一致する時間をt=0と定義し、その時のRF位相をとすることができればRF初期位相を厳密に定義することができますが、各コー ドで調整をとるのは困難でしょう。ビームエネルギーの RF初期位相特性を各コード間で比較することにより、コード間の実効的なRF位相を同一に定義することができますので、こちらの方法を採用したいと思いま す。

c. 各ビームパラメータの時間発展

 各コードのRF初期位相依存性の結果を比較した上で、ビームのΔEが最小にな るあたりの位相 を、RF初期位相と定義します。ここで定義された初期位相を用いて、z=150mmの位置での
の各時間発展を報告してください。


課題3−2 ソレノイドの出口でのビーム特性

 課題3−1でシミュレーションした条件に、ソレノイドを加え、z=1.3mまでト ラッキングします。JJAPの論文では、ソレノイド磁場は1.71 kGaussとなっていますが、磁場を適当に変化させて最適エミッタンスの条件を探してください。計算結果は、以下を報告してください。


課題3−3 加速管出口でのビーム特性