電磁石電源の制御
Magnet PS Control


  • SPring-8 Storage Ring (蓄積リング)の電磁石電源は全てVME-- RIOで制御している。

    VME Rack
      
    in the Steering Magnet PS Room

  • このRIOシステムは 1 Mbps の通信速度でVME のRIO Master Card のメモリーDataを 0.2 mS/Ch でRIO Slave CardへコピーするField BUSシステムであるためソフトウェアの構造を単純化できる。
  • 光ケーブルを使うことにより、耐ノイズ性、絶縁性、信頼性を確保している。 (このRIOシステムはSPring-8 内のビーム診断系、真空系、及び一部のID制御でも利用している)



  • 全てのSR 電磁石電源は4台の VME (HP-RT)で制御されている。 この4台のVME はリング棟の4カ所の電源室に配置され、 FDDI ーEthernet 経由で上位計算機 (Unix WS) と接続されている。 VMEシャーシに入れたMaster Card から光スターカプラ( Branch )で(8ポート/ Card)分岐してRIO Slave Card に接続される。


    QPのRIOカード ( Type-B)
     
    SPのRIOカード ( Type-B)

  • 1匡体に沢山のRIOスレーブカード( Type-A) が入るSTP電源の場合は、光スターカプラ( Branch )がSTP電源匡体側に収容される。(下図)


    STP電源(左)
      
    STP背面(スターカプラ上部)
    光ケーブル ---  StP 各UNIT
      

  • RIO pin assign Table

    VMEー RIO 制御Network と 冷却水インターロックシステムの関係



    Magnet冷却水の流量チェッカや温度Switchはインターロック用PLCで電源にハードワイヤ接続される。


    PLCスレーブ局(24台/保守通路全周)黄色ケーブルは磁石冷却水流量SW・温度SWに接続






    <参考 文献> Engineering Note (1994.Jun 14 武部英樹著)より
     

    VME用リモートI/Oシステムの特徴

      VMEシステムは近年、FAなどの分野で急成長した計測制御装置で加速器の制御装置としても、CERNやESRF、SPring−8、KEK等でも推奨され、使用されている。 非制御装置までの距離が2、3mを越えてVMEモジュールから信号線をのばすときに、回りがノイジーな環境であった場合、シールド線等を使って、対処するが、もし、ここに光ケーブルを使って、何十mものばせると便利であり、また、信頼性も向上する。 光ケーブルは近年、安価なものが出回ってきており、VMEーCPUから Field Bus として光ケーブルを用いたI/O延長システムが使いやすい。これをVME用リモートI/Oシステムと呼ぶ。

    1) Master Card (RIO Controller)
      VMEモジュールのRIOコントロール 用 Master Card(1〜2スパン)からRS485+HDLC の規格を使い、光ケーブルと8ポートスター型の Branch を通してRIOモジュールへ継ぐ。

    2) Branch Rack 、光ケーブル
      Master Card からGlass Fiber Cableで来たものを、8本の Glass Fiber Cable へ分岐するためのBranch カードを設ける。Branch カードは VME とおなじシャーシサイズのBranch Rackに収納され、 Data Busと電源を後ろから供給され、複数枚のカードがさされた Branch Rack として8〜61分岐装置として利用される。 VME シャーシに空きスロットがある場合はBranch カードをさして電源をVMEから供給されて使用することも出来る。 光ケーブルの両端には Dupont 社製のDLコネクターを使う。

    3) RIO(スレーブ)カード
      RIOカード(スレーブ)は、光ケーブルを通じ、Master Cardと通信し、被制御対象へ接続される。 被制御対象へ直結することにより,コネクター接点数も減少し,信頼性,保守性,が格段に向上 特に、Q-A用のものは、FloatingしたDC電源を供給されれば、DAC出力を直結でき、電源側のI/F,部品を省略できる。
      各I/Oへの出力のスピードは、Magnet-P.S.のステップ制御を考え、1ポート(16bitの同時性は△t<5μs )出力が、5mSec以下とし、4〜60ポートへ20mSec内で、ほぼ同時に電流セットが可能であれば良い(放医研向のRS485のMulti-Drop方式では1ボード 0.2 mS 以下,62ボード接続で 1サイクル 12mSである)。

      RIOボードは、DAC,ADCをVMEから絶縁する必要が多いため、電源は制御対象機器からDC5V,±15Vを供給する。

      RIOボードのプリント基盤は、Type-A,B,C の 3種類。
      (その後、Type- D,E,Fが設計されて 6 種類)。

      各I/O入出力の仕様は以下のとうりである。
      (第1表)

      Typeサイズ DI ADC(bit/ch) DO DAC Devices
      A Single 8 16*1 8 16 QA,St-P
      B Double 32 32 B,Q,Sx-P
      C Double 32 16b * 16 ch 32
      D Double 32 32
      E Double 32 32

      Glass Fiber Cable (Dupont Co.), DL コネクター付き、(5000円〜/5m、380円/m)
      サイズ:Single: はVME Single height Sizeと同じ、また、Double:はVME Double height Sizeと同じ。

      Type-A は QA , 及び, StP 用(600枚)であり,コスト、サイズを最小にしている。
      I/O入出力の仕様は以下のとうりである。
      • DAC ; 16bit (0〜10V、±10V、叉は、±1V) 
      • DI ; Photo-Coupler 入力 8点 
      • DO ; Photo-Coupler 出力 8点 
      • ADC * ; 16bit (±0.1、±1、±10V) 2重積分型。



      RIO Type-A is installed into the St-PS, QA-PS units





      Type-Bは32 Bit DI・DOのPhotoCouplerで信号を取り込むカードで、B,Q,S等の大きな電源 (ADC、DACはB, Q, S,- 電源内部に内蔵している)を制御している。
    • DI ; Photo-Coupler 入力 32点 
    • DO ; Photo-Coupler 出力 32点 



      RIO Type-B is installed into the BP, QP, and SxP units


      This is a Proto-type B model.



      Type-Cは16chMPX付きADC等で水温、真空度等のアナログ信号を取り込むカードである。

      Type-D, E, F はモニター系等の信号を取り込むカードである。


    Return

    takebe@sp8sun.spring8.or.jp Mar 19,1996