高周波加速系
放射光発生によるリング1周当たりの電子ビ−ムのエネルギ−損失
このエネルギ−損失を高周波加速空胴を用いて補う
構成
基準信号発生器
電圧、位相安定化回路
空洞共振安定化回路
クライストロン
クライストロン電源
サーキュレータ、導波管、ダミーロード
入力カップラー
加速空洞
真空排気装置
空洞温度調整装置
基準信号発生器
周波数の変更に対して位相連続
高い安定度、高い信号純度
400mほど離れたRFステーションに伝達 −>光ファイバー、E/O、O/E
fRF=C/L*h:開発要素の大きな大電力機器において実績のある周波数(KEK)を選定
各ステ−ション内でのの配置
電圧、位相安定化回路
空洞のピックアップ−>検波 基準電圧との比較 −>フィードバック
−>位相差の検出 −>フィードバック
空洞共振安定化回路
空洞の共振周波数<−空洞の温度によって変化
−>チューナーを動かすことによって共振周波数を調整
共振周波数のずれ−>反射の増加−>加速電圧の低下
空洞入力波と空洞ピックアップ信号との位相差を一定にするようにフィードバック
−>ロビンソン不安定の抑制
インターロック
安全管理、機器保護(BIM)、
RF内部での保護動作
クライストロン電源高圧オフ、ダミーロード冷却水量低下、ブロア停止
、空洞からの反射波過大、真空悪化、カップラアーク、
クライストロン
東芝製 1.2MW CWのクライストロン
変換効率 ~60%
少ない高調波
現在の運転時間 A B C D T
クライストロン電源
T:12相全波整流 IVRを用いた電圧制御 、クローバー回路、低い高調波成分、電圧安定度はAC受電電圧の影響を受ける
D:サイリスタを用いた6相整流、DCL、Tの電源に比べると大きい高調波成分、高い電圧安定度、アノード電源はカソード電圧を抵抗分割で
B、C:Dと同様、コックロフト型アノード電源、BCDで等価12相整流
A:サイリスタを用いた12相整流、アノード電源はカソード電圧を抵抗分割で
コレクタ冷却装置、ダミーロード冷却装置
テストスタンド
D
B,C
A
ハイパワ−伝送系
サーキュレータ:ドイツ AFT製、コンパクト、
導波管:WR1800=クライストロンからサーキュレータまで、
WR1500=サーキュレータから空洞まで
ダミーロード:反射してきた高周波を吸収する、純水を用いたロード
マジックT:高周波を2分割、
ベローズ:設置誤差の吸収などに用いる
直線型位相器:クライストロンから空洞までの導波管の実効長を調整
方向性結合器:進行波と反射波の一部をピックアップする、
反射波−>インターロックへ
アークセンサ:カップラのセラミック部分での放電を検知
−>インターロックへ
入力カップラー
300kW WR1500−>磁気結合 ループの角度で結合度を調整
加速空洞
ベル型空洞 基本モード用、HOM用、固定の3つのチューナー ピックアップ
無酸素銅
真空排気装置
主排気:3つのイオンポンプ、粗挽き:TMP、スクロールポンプ
Cold CathodeGauge:早い応答−>真空悪化でインターロック(カップラの保護)
空洞温度調整装置
空洞温度の安定化:0.1C <−HOMの抑制
3方弁、タンク(14m3)、ヒーター
通常の立ち上げ、停止手順
立ち上げ
冷却装置の立ち上げ(通常は動いている)
インターロックのリセット(通常は安全、クライストロン電源高圧オフ のみ
が異常)
クライストロン電源のオン
ヒーターの余熱終了までにおよそ50分かかる
ヒーター余熱終了後高圧オン
SRモードを立てる
BIMをリセットする
RFインターロックをリセットする
RFオン
停止
RFオフ
クライストロン電源オフ
RFの調整項目
基準信号周波数:周長に関連
加速電圧:モーメンタムアクセプタンスに関連
ステーション位相:4つの加速電圧の位相が一致するように
<−シンクロトロン振動数が最大になるように
シンクロとの位相:入射直後のビームのエネルギー振動が最小になるように
クライストロンと空洞との位相:空洞の位置から計算される位相に、ベクトルネットワークアナライザを用いて直線型位相器を調整
基本モードチューナーの調整:基本モード用チューナーを動かし、反射が最小になる位置を求める。その位置を位相0度となるように調整
クライストロン カソード(アノード)電圧コントローラ:
RFに関連する履歴
1991 Conceptual Design Report
和光にテストスタンド建設 クライストロン、電源、1MWダミーロード、250kWサーキュレータ、試験空洞の製作、ハイパワー試験
1993 Sep-Dec 播磨にD電源、伝送の一部の建設
1994 Apr-95 Jul D加速空胴製作
1994 Nov-95 Mar Tステーションの移設
1995 Apr D漏洩電波試験
1995 May T漏洩電波試験
1995 May- 空洞、カップラーのエージング
1996 Feb Sy-E 光ファイバ−敷設
1996 Mar-Aug D、B、C伝送系設置
1996 Apr D温調器設置
1996 Jun-Jul A,B,C,D光ファイバ−敷設
1996 Jul-Aug BC電源の建設
1997 Mar ビ−ム入射
1997 Aug 基準信号伝送方法の変更
1997 Oct ユ−ザ−運転を開始 20mA
1998 Sep ユ−ザ−運転を70mA
1999 Jul ユ−ザ−運転を100mA、クライストロンのアノ−ドコントロ−ルを再調整
1999 Sep A加速空胴、伝送系を設置、空胴はデチュ−ニング
1999 Sep HHLV opticsに変更、空胴位置でのbxが mから mに大きくなった
基準信号周波数を周長変化にあわせて変更する
1999 A電源の建設
2000 Jan Aステ−ションの運転開始
2000 May クライストロン電源の平滑化コンデンサーの交換
2000 Oct 基準信号にfsフィードバックを行う
今までにあったトラブル
空洞共振安定化回路のアッテネータの損傷 空洞反射 アッテネータの交換
チューナーのモータードライバの故障 空洞反射 ドライバの交換
チューナーからの冷却水漏れ 真空度悪化 チューナーの交換
サ−キュレ−タ−のア−ク リセット
参考文献
シンクロトロン放射光の基礎 大柳宏之 編 丸善
加速器科学 亀井 木原 著 丸善 パリティ物理学コース